神前結婚式の歴史 意外と新しい?明治の皇室の御婚儀と、日比谷大神宮から広まった神前式

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この記事で分かること
神社で、神様の前で夫婦の誓いを立てる「神前結婚式(神前式)」。

日本古来の伝統のように思えますが、実は今の形が始まったのは明治時代です。
神前結婚式がどのように生まれ、広まっていったのかを、史料と資料をもとにお話しします。

神前結婚式を一言でいうと

神様の前で夫婦の契りを結ぶ結婚式で、明治時代に東京大神宮から広まった、比較的新しい形の婚礼です。

古い伝統と新しい形が合わさって生まれた、日本らしい儀式なんです。

それまでの結婚式【資料から】

雑学・記念日の紹介サイトなどによると、明治時代の結婚式は、新郎の自宅で行うのがふつうでした。
家に親族が集まり、祝言(しゅうげん)をあげる。
神社ではなく、「家」が結婚式の舞台だったのです。

神前結婚式の始まり【史料】

明治33年の皇太子の御婚儀

東京大神宮の公式サイトや旅行読売などによると、明治33年(1900年)5月10日、皇太子(のちの大正天皇)の御結婚の儀式が、皇居の賢所(かしこどころ)の神前で行われました。
皇室でも、神前での結婚の儀式はこのときが初めてだったと紹介されています。

日比谷大神宮で最初の一般向け神前式

この御婚儀を記念して、当時の日比谷大神宮(今の東京大神宮)が、一般の人々に向けた神前結婚式を始めました。
東京大神宮の公式サイトでも、今広く行われている神前結婚式は、東京大神宮の創始によるものと紹介されています。

最初の神前結婚式が行われた日は、旅行読売では明治34年(1901年)3月3日、記念日を紹介するサイトでは同年7月21日とされていて、資料によってちがいます(諸説あり)。
7月21日は「神前結婚記念日」とされています。

記念日紹介サイトなどによると、白無垢や三三九度など、今の神前式で見られるしきたりの多くは、このとき日比谷大神宮が整えた形に由来しているといわれます。

東京大神宮については、東京大神宮の記事で紹介しています。

夏目漱石『行人』

旅行読売によると、夏目漱石の小説『行人』には、日比谷大神宮での結婚式が登場します。
明治の終わりから大正にかけて、神前結婚式が新しい結婚の形として知られるようになっていたことがうかがえます。

戦後の大流行

サライ.jpの記事によると、神前式が一般の人々に広まったのは第二次世界大戦のあとといわれ、昭和30年代後半に急増しました。
1950年代には、8割をこえる夫婦が神前式で結婚したともいわれます。

その後は、神社での挙式からホテルや結婚式場での挙式へと移っていき、今ではチャペルでのキリスト教式など、さまざまな形が選ばれています。

古神道的な読み解き

神話の中の結婚

日本の神話には、神様どうしの結婚の物語がいくつも出てきます。
伊邪那岐命と伊邪那美命は天の御柱をまわって結ばれ、須佐之男命は八岐大蛇から救った稲田姫命と結ばれ、「八雲立つ」の歌を詠みました。

神様の前で夫婦の誓いを立てる神前式は、こうした神話の結婚を、自分たちの結婚に重ね合わせる儀式だとも言えます。

天の御柱については天の御柱の記事、須佐之男命と稲田姫命については稲田姫命の記事で紹介しています。

三三九度

三三九度は、新郎新婦が同じ盃でお酒を三度ずつ飲み交わすしきたりです。
神様にお供えしたお酒をいただくことで、神様と人、そして二人が結ばれる、という意味が込められていると考えられています。

まこも考察

ここからはまこもの考察です。

神前結婚式の歴史を調べていて、僕がいちばんおもしろいと思ったのは、「伝統だと思っていたものが、実は新しかった」ということです。

神前式は、120年ほど前に始まった形です。
でも、神様の前で誓う、お酒を交わす、という一つひとつの所作は、もっと古い神まつりの心につながっています。

新しい形の中に、古い心を込める。
伝統というのは、昔のものをそのまま守るだけでなく、時代に合わせて新しく生み出され続けていくものなのかもしれません。

ちなみに僕は、三三九度のお酒の回数を、練習しても絶対にまちがえる自信があります。

神前結婚式が登場する作品

夏目漱石『行人』

明治から大正にかけての小説で、日比谷大神宮での結婚式が描かれています(旅行読売による)。

まとめ

  • 明治時代までの結婚式は、新郎の自宅で行うのがふつうでした。
  • 明治33年(1900年)、皇太子(のちの大正天皇)の御婚儀が皇居の賢所の神前で行われました。
  • これを記念して、翌年、日比谷大神宮(今の東京大神宮)が一般向けの神前結婚式を始めました(日付は3月3日・7月21日の諸説あり)。
  • 神前式が一般に広まったのは戦後で、昭和30年代後半に急増しました。

古い神まつりの心を、新しい形に込めた結婚式。
神前結婚式は、伝統が生まれ変わり続けることを教えてくれる儀式です。

よくある質問(FAQ)

Q. 神前結婚式はいつから始まったのですか?
A. 明治34年(1901年)に、日比谷大神宮(今の東京大神宮)が一般向けの神前結婚式を始めたのが最初とされています。

Q. それ以前の結婚式はどのようなものでしたか?
A. 新郎の自宅で、親族が集まって祝言をあげるのがふつうでした。

この記事は、古事記・日本書紀などの原典や、ネット上の資料を参考にまとめ、まこもが考察を加えたものです。考察の部分は「まこも考察」として書き分けています。

出典・参考文献

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