おみくじの起源とは?元三大師の観音籤から、和歌のおみくじ、明治神宮の「大御心」まで

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この記事で分かること
おみくじは、神社やお寺で引いて、運勢や神様・仏様からのメッセージを受け取るものです。

そのルーツは、神様の意思を問う古代の「くじ」と、平安時代の高僧にさかのぼるといわれます。
おみくじの歴史と、神社ならではの和歌のおみくじを、史料と伝承に分けてお話しします。

おみくじを一言でいうと

くじを通して、神様や仏様の「お考え」をうかがうものです。

今では運勢を占う楽しみとして親しまれていますが、もとは大切なことを決めるための、真剣な祈りの方法でした。

言葉の意味を見てみよう

  • お・み(御):ていねいにする言葉
  • くじ(籤):細長い札などを引いて、ものごとを決めるもの

漢字では「御神籤」「御御籤」などと書かれます。

神様の意思を問う「くじ」【史料と伝承】

古代のくじ

和楽webによると、壬申の乱のとき、のちの天武天皇は「ひねりぶみ」と呼ばれる、おみくじのようなもので、戦いの成否を占ったと伝えられています。

人の力では決められない大切なことを、くじによって神様にゆだねる。
くじは、もともと「神様の意思を知る」ための方法だったのです。

くじで決まった将軍

室町時代、5代将軍の足利義量が若くして亡くなり、4代将軍の足利義持も後継ぎを決めないまま亡くなりました。
困った家臣たちは、石清水八幡宮で神様の前でくじを引き、次の将軍を決めました。
こうして6代将軍になったのが足利義教で、「くじ引き将軍」と呼ばれています。

八幡神については、八幡神の記事で紹介しています。

元三大師と「観音籤」【伝承】

元三大師良源

和楽webなどによると、今のおみくじのルーツは、平安時代の天台宗の高僧・良源(りょうげん)にさかのぼるといわれます。
良源は、正月三日に亡くなったことから「元三大師(がんざんだいし)」と呼ばれました。

観音菩薩に祈って授かったという言葉をもとにした「元三大師百籤(ひゃくせん)」が、おみくじの起源とされています。
元三大師は観音菩薩の化身ともいわれたので、「観音籤(かんのんくじ)」とも呼ばれました。

天海が広めた

江戸時代のはじめ、徳川家の三代に仕えた天台宗の僧・天海が、元三大師のお告げによって百枚の言葉を見つけ、「元三大師百籤」としてお寺を通じて庶民に広めたと伝えられています(和楽webなどによる)。

神社のおみくじ

和歌のおみくじ

和楽webによると、お寺のおみくじは漢詩で書かれていることが多いのに対し、神社のおみくじは和歌が書かれていることが多いのが特徴です。

日本では、言葉に魂が宿るという「言霊(ことだま)」の考え方が大切にされてきました。
和歌のおみくじは、神様の言葉を、日本の歌の形で受け取るものだと言えます。

おみくじの多くをつくる神社

山口県の二所山田神社は、明治時代に「女子道社(じょしどうしゃ)」を設立し、全国の神社やお寺向けのおみくじをつくってきました。
旅行情報サイトなどによると、おみくじの自動頒布機を考えたのも、この女子道社だといわれます。

明治神宮の「大御心」

東京・原宿の明治神宮のおみくじ「大御心(おおみごころ)」には、吉や凶は書かれていません。
観光庁の多言語解説によると、明治天皇と昭憲皇太后が詠んだ和歌と、その解説が書かれています。

運勢を占うのではなく、和歌の言葉から、自分なりに生き方のヒントを考える。
おみくじの「神様の言葉を受け取る」という本来の姿を、いちばんよく残しているのかもしれません。

くわしくは明治天皇と昭憲皇太后の記事で紹介しています。

古神道的な読み解き

「当たる・当たらない」より「受け取る」

おみくじは、未来を当てるためのものというより、神様からのメッセージを受け取るためのものと考えられています。
大吉が出ても気をゆるめず、凶が出ても落ちこまず、書かれている言葉を心にとめて過ごす。
それが、おみくじとの昔ながらのつきあい方です。

まこも考察

ここからはまこもの考察です。

おみくじの歴史を調べていて、僕がいちばんおもしろいと思ったのは、昔は「将軍を決める」ほど大切なことにくじが使われていた、ということです。

人の力ではどうしても決められないとき、神様にゆだねる。
それは、自分たちの判断だけにたよらず、謙虚になるための方法でもあったのだと思います。

今、気軽におみくじを引くときも、ほんの少しだけ、その謙虚な気持ちを思い出してみる。
そうすると、おみくじの言葉が、いつもより深く心に届く気がします。

ちなみに僕は、凶を引くと「もう一回」と言いたくなってしまうので、昔の人の謙虚さを見習いたいと思います。

噂・都市伝説【噂・俗説】

【噂・俗説】おみくじは木に結ぶ?持ち帰る?

おみくじは境内の木や結び所に結ぶもの、という話がある一方で、持ち帰って何度も読み返すのがよい、という話もあります。
どちらが正しいという決まりはなく、神社ごとの案内にしたがうのがよいとされています。

おみくじが登場する作品

公式の情報で確認できた作品がなかったため、ここでは紹介を控えます。

まとめ

  • おみくじのもとは、神様の意思を問う古代の「くじ」です。
  • 室町時代には、石清水八幡宮のくじで将軍が決まり、足利義教は「くじ引き将軍」と呼ばれました。
  • 今のおみくじのルーツは、平安時代の元三大師良源の「観音籤」にさかのぼるといわれます。
  • 神社のおみくじには和歌が多く、明治神宮の「大御心」は吉凶のない和歌のおみくじです。

くじを通して、神様の言葉に耳をすませる。
おみくじは、千年以上続く日本人の祈りの形です。

よくある質問(FAQ)

Q. おみくじの起源は何ですか?
A. 神様の意思を問う古代のくじにさかのぼり、今の形は平安時代の元三大師良源の「観音籤」がルーツといわれます。

Q. 神社とお寺のおみくじはちがうのですか?
A. 神社のおみくじには和歌、お寺のおみくじには漢詩が書かれていることが多いといわれます。

この記事は、古事記・日本書紀などの原典や、ネット上の資料を参考にまとめ、まこもが考察を加えたものです。考察の部分は「まこも考察」として書き分けています。

出典・参考文献

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