元伊勢とは?伊勢神宮に鎮まる前に天照大御神と豊受大神がお祀りされた場所、籠神社・真名井神社など

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この記事で分かること
「元伊勢(もといせ)」とは、天照大御神や豊受大神が、今の伊勢神宮に鎮まる前に、一時お祀りされたと伝わる場所のことです。

日本各地には、「ここが元伊勢だ」という伝承を持つ神社がいくつもあります。
元伊勢の成り立ちと、代表的な丹後の籠神社・真名井神社を、史料と伝承に分けてお話しします。

元伊勢を一言でいうと

伊勢の神宮にたどり着くまでの、神様の「旅の途中の宿」です。

天照大御神は、はじめから伊勢にいらっしゃったわけではありません。
長い旅の末に、伊勢の五十鈴川のほとりにたどり着いたのです。

天照大御神の旅【史料】

宮中から笠縫邑へ

日本書紀によると、天照大御神はもともと宮中でお祀りされていました。
けれども崇神天皇の時代、その神威をおそれ、皇女の豊鍬入姫命(とよすきいりひめのみこと)に託して、大和の笠縫邑(かさぬいのむら)でお祀りするようになりました。

倭比売命の旅

次の垂仁天皇の時代、天照大御神をお祀りする役目は、倭比売命(倭姫命)に受け継がれます。
倭比売命は、大御神の鎮まる場所を求めて、大和の菟田(うだ)、近江、美濃をめぐり、ついに伊勢にたどり着きました(日本書紀)。

この旅の途中で、天照大御神が一時お祀りされた場所が、のちに「元伊勢」と呼ばれるようになりました。
くわしくは倭比売命の記事で紹介しています。

『倭姫命世記』の長い旅【伝承】

鎌倉時代にまとめられた『倭姫命世記(やまとひめのみことせいき)』などには、日本書紀よりもずっと多くの場所をめぐった旅が書かれています。
各地の元伊勢の伝承には、こうした書物にもとづくものも多いと考えられています。

丹後の元伊勢:籠神社と真名井神社【伝承】

「元伊勢籠神社」

旅行読売によると、京都府宮津市、天橋立の北にある籠神社(このじんじゃ)は、丹後国の一宮で、伊勢神宮のルーツという意味で「元伊勢籠神社」とも呼ばれています。

社伝によると、伊勢神宮の外宮にお祀りされている豊受大神は、神代には真名井原(今の真名井神社)に鎮座していたとされます。
そして、天照大御神が4年間お祀りされた元伊勢「吉佐宮(よさのみや)」にあたると考えられています。

真名井神社

真名井神社は籠神社の奥宮で、境内には御神水が湧いています(旅行読売)。
豊受大神が丹波(丹後)の「真名井」から伊勢に迎えられたという外宮の伝えと、深く結びついた神社です。

豊受大神については、豊受大神の記事で紹介しています。

国宝の海部氏系図

旅行読売によると、籠神社の宮司家・海部(あまべ)氏の系図は国宝に指定されています。
海部氏は古代の海人族で、代々、丹波国造をつとめたと伝えられ、今の当主は82代目だそうです。

そのほかの元伊勢

元伊勢の伝承を持つ神社は、奈良、京都、滋賀、岐阜、三重など、各地にあります。
たとえば、奈良の大神神社の摂社・檜原神社は、天照大御神を最初にお祀りした笠縫邑の伝承地の一つとされています。
大神神社については、大神神社の記事で紹介しています。

古神道的な読み解き

神様も旅をする

元伊勢の伝承は、神様が一つの場所にずっといらっしゃるのではなく、ふさわしい場所を求めて旅をする、という考え方を伝えています。
神様をお迎えし、お祀りする場所は、人々が心をこめて探し、選ぶものだったのです。

まこも考察

ここからはまこもの考察です。

元伊勢を調べていて、僕がいちばん心をひかれたのは、各地の人々が「ここに神様がいらっしゃった」という記憶を、大切に守り続けてきたということです。

神様は伊勢へ旅立ってしまった。
それでも、「私たちの土地にも、かつて大御神がいらっしゃった」という誇りが、千年以上も神社を守る力になってきました。

旅の途中で立ち寄っただけでも、その土地にとっては、かけがえのない思い出になる。
元伊勢の神社は、神様の旅を見送った土地の人々の、愛おしい記憶なのだと思います。

ちなみに僕は、旅行先で泊まった宿のことを一年もすれば忘れてしまうので、元伊勢の人々の記憶力に脱帽です。

噂・都市伝説【噂・俗説】

【噂・俗説】元伊勢はいくつある?

元伊勢と呼ばれる場所は、数え方によって20か所以上とも、もっと多いともいわれます。
どこまでを元伊勢とするかは資料によってちがい、決まった数は確認できませんでした。

元伊勢が登場する作品

公式の情報で確認できた作品がなかったため、ここでは紹介を控えます。

まとめ

  • 元伊勢とは、天照大御神や豊受大神が、伊勢神宮に鎮まる前に一時お祀りされたと伝わる場所です。
  • 天照大御神は、宮中から笠縫邑へ、そして倭比売命の旅を経て、伊勢にたどり着きました。
  • 京都府宮津市の籠神社は「元伊勢籠神社」と呼ばれ、奥宮の真名井神社は豊受大神とゆかりが深いと伝わります。
  • 籠神社の宮司家・海部氏の系図は国宝です。

神様の旅を見送った土地の人々の記憶。
元伊勢は、伊勢の神宮へと続く、長い祈りの道のりを今に伝えています。

よくある質問(FAQ)

Q. 元伊勢とは何ですか?
A. 天照大御神や豊受大神が、伊勢神宮に鎮まる前に一時お祀りされたと伝わる場所のことです。

Q. 代表的な元伊勢はどこですか?
A. 京都府宮津市の籠神社(元伊勢籠神社)や、その奥宮の真名井神社がよく知られています。

この記事は、古事記・日本書紀などの原典や、ネット上の資料を参考にまとめ、まこもが考察を加えたものです。考察の部分は「まこも考察」として書き分けています。

出典・参考文献

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