この記事で分かること
伊勢神宮(いせじんぐう)は、三重県伊勢市にある神社で、正式な名前はただ「神宮(じんぐう)」といいます。
天照大御神をお祀りする内宮と、豊受大御神をお祀りする外宮を中心に、125の宮社からなる、とても大きな神社です。
その始まりと、20年ごとに社殿を新しくする式年遷宮、お参りの習わしを、史料と伝承に分けてお話しします。
伊勢神宮を一言でいうと
天照大御神をお祀りする、日本の神社の中でも特別な「神宮」です。
公式サイトによると、「お伊勢さん」「大神宮さん」と親しく呼ばれてきました。
江戸時代には、一生に一度はお伊勢参りを、と多くの人々があこがれた場所なんです。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 神宮(じんぐう) |
| 内宮 | 皇大神宮。御祭神は天照大御神。三重県伊勢市宇治館町1 |
| 外宮 | 豊受大神宮。御祭神は豊受大御神。伊勢市の中心部、高倉山のふもと |
| 宮社の数 | 内宮・外宮を含め125社(別宮14所、摂社43所、末社24所、所管社42所) |
| 式年遷宮 | 20年に一度。持統天皇4年(690年)に始まったとされる |
| 参拝時間 | 午前5時から(終わりは月によって午後5時〜7時) |
| 公式サイト | https://www.isejingu.or.jp/ |
※ 正式名称・宮社の数・御祭神・参拝時間は、2026年10月1日に神宮の公式サイトで確認しました。
御祭神【史料】
内宮:天照大御神
公式サイトによると、内宮(正式には皇大神宮)には、天照大御神がお祀りされています。
御神体は、三種の神器の一つ、八咫鏡(やたのかがみ)とされています(国立国会図書館の解説)。
三種の神器については、三種の神器の記事で紹介しています。
外宮:豊受大御神
外宮(正式には豊受大神宮)には、天照大御神のお食事をつかさどる御饌都神(みけつかみ)として、豊受大御神がお祀りされています(公式サイト)。
由緒と歴史の変遷
内宮の始まり:倭比売命の旅【史料と伝承】
公式サイトによると、内宮はおよそ2000年前、垂仁天皇の時代から、五十鈴川のほとりに鎮まっています。
日本書紀によると、天照大御神はもともと宮中でお祀りされていましたが、崇神天皇の時代に大和の笠縫邑に移され、垂仁天皇の時代に、皇女の倭比売命(倭姫命)が、大御神の鎮まる場所を求めて各地をめぐりました。
そして伊勢にたどり着いたとき、大御神は「この神風の伊勢の国は、常世の浪の重浪の寄せる国である。この国にいたい」と告げた、と書かれています。
くわしくは倭比売命の記事で紹介しています。
外宮の始まり:雄略天皇の夢【伝承】(諸説あり)
平安時代の『止由気宮儀式帳』には、雄略天皇の夢に天照大御神が現れ、丹波国にいる等由気大神(豊受大御神)を、自分の食事をつかさどる神として呼び寄せてほしいと告げた、という話が伝わっているとされます。
これが外宮の始まりと伝えられています。
くわしくは豊受大神の記事で紹介しています。
式年遷宮【史料】
公式サイトによると、神宮では20年に一度、新しい社殿をつくり、天照大御神に新しい宮へお遷りいただく「式年遷宮(しきねんせんぐう)」が行われています。
旅行情報サイトなどによると、式年遷宮は持統天皇4年(690年)に始まり、平成25年(2013年)の第62回まで、1300年以上続いてきました。
次の第63回は、令和15年(2033年)の秋に予定され、その8年前から関連するお祭りや行事が行われています。
お伊勢参り
江戸時代には、伊勢参りは庶民の一生の願いとなり、たくさんの人々が伊勢を目指しました。
大阪の講の人々の旅については、お伊勢参りと浪花講の記事で紹介しています。
伊勢まで行けない人のためには、東京大神宮のような遥拝殿もつくられました(東京大神宮の記事、遥拝の記事)。
境内の見どころ
内宮
- 宇治橋:公式サイトによると、内宮への入口、五十鈴川にかかる橋で、大御神のいらっしゃる宮地への架け橋といわれます
- 五十鈴川:内宮のそばを流れる清らかな川です
- 正宮(皇大神宮):天照大御神をお祀りする、内宮の中心のお宮です
- 荒祭宮(あらまつりのみや)・風日祈宮(かざひのみのみや):内宮の境内にある別宮です(公式サイト)
外宮
- 正宮(豊受大神宮):高倉山を背にして鎮まる、外宮の中心のお宮です
- 多賀宮・土宮・風宮:外宮の境内にある別宮です(公式サイト)
- せんぐう館:外宮正殿の原寸大の模型が展示されている博物館です(公式サイト)
神事・例祭の意味
外宮先祭
公式サイトによると、神宮では「外宮先祭(げくうせんさい)」といって、お祭りは外宮から先に行われ、お参りも外宮から先にするのが慣わしとされています。
「伊勢参りは外宮から」といわれるのは、このためです。
神嘗祭
10月の神嘗祭(かんなめさい)は、その年にとれた新しいお米を天照大御神にささげる、神宮でいちばん大切なお祭りの一つです。
東京大神宮の秋季大祭は、この神嘗祭にあわせて伊勢神宮を遥拝しています。
古神道的な視点での読み解き
常に新しく、変わらない
式年遷宮では、20年ごとに社殿を建て替えます。
建物はいつも新しいのに、その形と祈りは、1300年以上変わらずに受け継がれてきました。
古いものを残すのではなく、新しくつくり直すことで、変わらないものを伝えていく。
式年遷宮は、日本人の「伝統」の考え方を、いちばんよく表しているのかもしれません。
心御柱
神宮の正殿の床下には、「心御柱(しんのみはしら)」という神聖な柱があり、式年遷宮のたびに新しく立てられるといわれます。
くわしくは天の御柱の記事で紹介しています。
まこも考察
ここからはまこもの考察です。
伊勢神宮を調べていて、僕がいちばん心をひかれたのは、正式な名前が、ただの「神宮」だということです。
ほかの神社には、地名や神様の名前がつきます。
でも伊勢の神宮は、何もつけずに「神宮」。
それだけで、どこのことか分かる、特別な神社なんですね。
そして、その特別な神社が、20年ごとにまっさらな社殿に生まれ変わる。
いちばん古くて、いちばん新しい。
その不思議さこそが、二千年続いてきた理由なのかもしれません。
ちなみに僕は、20年前に買った服をまだ着ていることがあるので、式年遷宮の潔さを少し見習いたいと思います。
伝承・関連する話
【伝承】元伊勢
倭比売命が伊勢にたどり着くまでのあいだに、天照大御神が一時お祀りされたと伝わる場所は「元伊勢」と呼ばれ、各地に残っています。
くわしくは元伊勢の記事で紹介しています。
伊勢神宮が登場する作品
公式の情報で確認できた作品がなかったため、ここでは紹介を控えます。
参拝の作法・アクセス
※ 以下の情報は、2026年10月1日に神宮の公式サイトなどで確認したものです。お出かけの前に最新の情報を確認してください。
参拝の作法
一般的な神社と同じく、「二拝二拍手一拝」でお参りします。
「外宮先祭」にならって、外宮から先にお参りするのが習わしです。
参拝時間(公式サイト)
- 1月・2月・3月・4月・9月:午前5時〜午後6時
- 5月・6月・7月・8月:午前5時〜午後7時
- 10月・11月・12月:午前5時〜午後5時
- お正月は時間が変わります
アクセス
公式の情報ではありませんが、旅行情報サイトなどによると、外宮はJR・近鉄の伊勢市駅から歩いて行ける距離にあり、外宮から内宮へはバスで移動できます。
くわしくは、神宮の公式サイトの交通アクセスのページで確認してください。
まとめ
- 伊勢神宮の正式な名前は「神宮」で、内宮・外宮を含む125社からなります。
- 内宮(皇大神宮)には天照大御神、外宮(豊受大神宮)には豊受大御神がお祀りされています。
- 内宮は、倭比売命が天照大御神の鎮まる場所を求めて旅をし、五十鈴川のほとりに鎮めたのが始まりと伝えられます。
- 20年に一度の式年遷宮は、持統天皇4年(690年)に始まり、1300年以上続いています。
- 「伊勢参りは外宮から」という外宮先祭の習わしがあります。
いちばん古く、いちばん新しい神宮。
伊勢神宮は、変わらない祈りを、新しい形で受け継ぎ続けている神社です。
よくある質問(FAQ)
Q. 伊勢神宮の正式名称は何ですか?
A. 「神宮」です。
Q. 内宮と外宮、どちらから先にお参りしますか?
A. 「外宮先祭」の習わしにならって、外宮から先にお参りするのが慣わしとされています。
Q. 式年遷宮とは何ですか?
A. 20年に一度、新しい社殿をつくり、神様に新しい宮へお遷りいただく儀式です。
この記事は、古事記・日本書紀などの原典や、ネット上の資料を参考にまとめ、まこもが考察を加えたものです。考察の部分は「まこも考察」として書き分けています。
出典・参考文献
- 『日本書紀』巻第六 垂仁天皇二十五年
- 『止由気宮儀式帳』
- 神宮 公式サイト「神宮について」 https://www.isejingu.or.jp/about/
- 神宮 公式サイト「内宮」 https://www.isejingu.or.jp/about/naiku/
- 神宮 公式サイト「外宮」 https://www.isejingu.or.jp/about/geku/
- 神宮 公式サイト「参拝案内」 https://www.isejingu.or.jp/visit/
- 国立国会図書館「伊勢神宮」 https://www.ndl.go.jp/landmarks/sights/isejingu
- トレたび(式年遷宮) https://www.toretabi.jp/zipangclub/page/tabinetasengu04.html


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